年金の支給金額が減ってきているように感じているけど、国民年金って払った方がいいのかな

生活していくこと
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数年前、老後2,000万円問題が話題になったころ、年金のことも話題になりました。

それ以前には、消えた年金問題とかいう、収めたはずの記録がなくなってしまっている(現在と過去でつながっていない)という恐ろしい事実が判明したこともありました。

そしてメディアでは、年金は収めていても、もらえるころにはどうなっているのかわからないなどと、不安を煽るような特集もされることもしばしばあります。

実際、年金がどうなっているのか、これからどうしたらよいのか、考えてみたいと思います。

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国民年金のルール

まず、大前提としてルールを確認しておきたいと思います。

国民年金は、20歳から60歳までの日本に住んでいる人は払う義務があります。

これは平成3年4月1日に義務化されています。

いまから30年くらい前のお話になります。

国民年金の歴史

国民年金が現在の形を成すまでの歴史を見てみます。

1942年(昭和17年) 労働者年金保険法 発足

1954年(昭和29年) 厚生年金保険法 全面改正

1961年(昭和36年) 国民年金法 施行 ← 国民皆保険

1973年(昭和48年) 物価スライド制導入

1985年(昭和60年) 国民年金加入者を20歳から59歳の全国民に拡大
                      ← 第1号~3号の被保険区分創設

1989年(平成元年) 20歳以上の学生も強制加入

1994年(平成6年) 厚生年金定額部分の支給 60歳から65歳へ

2000年(平成12年) 厚生年金報酬比例部分の支給 60歳から65歳へ

2004年(平成16年) 保険料段階的引き上げ(上限固定)
           基礎年金国庫負担を1/3から1/2へ引き上げ
           マクロ経済スライドにより給付水準を徐々に引き下げ

2012年(平成24年) 基礎年金国庫負担1/2の恒久化

2022年(令和4年) 繰下げ受給の上限年齢引上げ ※詳細は別に示します

20歳以上の日本に住む人全体を対象にして、年金を徴収する形をとるようになってから35年以上経っています。

少子高齢化社会となり、もらう人が多くなるにつれ、支給時期を段階的に遅らせる制度を取り始めてからも20年以上経っているようです。

昔の定年って55歳だったような記憶があったので調べてみたのですが、1998年までは法律で認められていたそうです。

人生100年時代と言われるようになってきましたが、定年も後ろ倒しされ、年金支給も後ろ倒しされてきています。

いったいいつまで働けば良いのでしょうか。

経済的自由を得る日が待ち遠しいです。

公的年金の意義

公的年金の意義は保険です。

そして国民年金は国民の保険、つまり「すべての国民が安心して暮らせること」が前提になっています。

そんな背景の中、以下の3つの制度があります。

老齢基礎年金 65歳から終身受け取れる年金

障害基礎年金 病気やけがなどで一定の障害を負った場合に支給される

遺族基礎年金 年金受給者や被保険者が亡くなった場合に支給される(配偶者や18歳以下の子供)

簡単に年金と聞くと、老後のことだけだと思いがちですが、それ以前であっても、病気やけが、万が一亡くなってしまった場合などにも保証の制度がある「保険」の役割を持っているのです。

2階建て

国民年金 日本に住む20歳以上の人が加入 ・・・ 1階部分

厚生年金 会社などに勤務している人が加入 ・・・ 2階部分

国民年金にしか加入していない人は、将来国民年金しかもらえないのに対し、厚生年金に加入している人は、国民年金プラス厚生年金ももらえることになります。

そのため、よく「2階建て」という表現が使われます。

そして3階建てとなると、確定給付年金や確定拠出年金、iDeCoがその上に載ってくる形になります。

厚生年金

厚生年金保険は、被保険者が老後の備えの年金だけでなく、病気やけがで障害が残ったり、亡くなったりした場合に保険給付を行い、被保険者とその遺族の生活を救済することを目的としています。

なんと言っても最大のメリットは、保険料の半分を、会社が負担してくれていると言うことでしょう。

そのうえ将来受け取ることができる年金も、国民年金に上積みされます。

賦課方式

現在収めている年金は、現在支給されている年金として使われています

我々が年金をもらう頃は、そのときに収めてくれた年金から支給されることになります。

この制度のことを賦課方式といいます。

インフレなどによって物価が上がり、お金の価値が下がった場合に効果的だと言われています。

財政検証

5年ごとに、人口の見通し、経済の見通し、保険料収入と支出の見通しを検証しています。

その結果、必要であれば、支払う年金額や、支給される年金額も見直されることになります。

財源

賦課方式で見た通り、収めた年金が財源になっていますが、これだけでは不足してしまいます。

そのため、財源として、国庫負担金(税金)年金積立金が当てらえることになっています。

年金積立金は、これまでの収入として得た年金のうち、使われなかったものを当てています。

そしてこの年金積立金は、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)によって運用されています。

また国庫負担金(税金)も財源になっています。これは我々が支払っている消費税が当てられています

従って、極端な言い方をすると、年金を払っていないと年金をもらえないうえに、年金をもらっている人のために消費税を払っているということになってしまいます。

直近の改正について

繰下げ受給の上限年齢引上げ

老齢年金の繰下げの年齢について、上限が70歳から75歳に引き上げられました。

また、65歳に達した日後に受給権を取得した場合についても、繰下げの上限が5年から10年に引き上げられました。

令和4年3月31日時点で、70歳に達していない方(昭和27年4月2日以降生まれの方)または受給権を取得した日から5年経過していない方が対象となります。

繰上げ受給の減額率の見直し

繰上げ受給をした場合の減額率が、1月あたり0.5%から0.4%に変更されました。

令和4年3月31日時点で、60歳に達していない方(昭和37年4月2日以降生まれの方)が対象となります。

在職老齢年金制度の見直し

在職中の老齢厚生年金受給者について、年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が一定の基準を超えたとき、年金の全部または一部が支給停止されます。

令和4年4月から60歳以上65歳未満の方の在職老齢年金について、年金の支給が停止される基準が見直され、65歳以上の在職老齢年金と同じ基準(28万円から47万円)に緩和されました。

加給年金の支給停止規定の見直し

加給年金の加算対象となる配偶者が、被保険者期間が20年(中高齢者等の特例に該当する方を含む)以上ある老齢、退職を支給事由とする年金の受給権を有する場合、その支給の有無に関わらず加給年金が支給停止されます。

令和4年3月に加給年金の支給がある方については、経過措置が設けられています。

在職定時改定の導入

在職中の65歳以上70歳未満の老齢厚生年金受給者について、年金額が毎年1回定時に改定が行われます。

基準日である毎年9月1日に厚生年金保険の被保険者である場合は、翌月10月分の年金から改定されます。

国民年金手帳から基礎年金番号通知書への切替え

令和4年4月1日以降、国民年金制度または被用者年金制度に初めて加入する方には、「基礎年金番号通知書」を発行します。

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国民年金を払う・もらう

いつまで払う

国民年金は、60歳までで終了です。その後は任意制度があり、加入を継続することもできます。

厚生年金は、70歳まで可能です。ただし、会社に雇われていて、会社が払ってくれる契約ではないとダメです。

実際にもらえるお金

日本年金機構のホームページにもらえる金額が書いてあります。

区分月間年間
国民年金(老齢基礎年金(満額))64,816円777,792円
厚生年金(夫婦2人分の標準的な金額(老齢基礎年金含む))219,593円2,635,116円

※平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準

令和4年分 日本年金機構ホームページより

国民年金の支払額が令和4年現在で月額16,590円となっています。年間だと199,080円になります。

支払総額は、年間199,080円×40年=7,963,200円となります。

支払総額を1年間に貰える金額で割ると、何年で元が取れるのかがわかります。

7,963,200÷777,792=10.238

国民年金は、10年ちょっとで元が取れます。

そこから先は、長く生きれば生きるほど、お得になります。

ただ、国民年金だけでは生活するのは厳しいです。別の何かで不足する分を補う必要があります。

厚生年金の方は、そういう面では有利になっています。

いつからもう

原則65歳から受給できます。繰上や繰下げの制度を利用することで60歳から75歳まで選択できます。

繰り上げすると、受給額が減ります。生活費が足りるならやらない方が良いです。

繰り下げすると、受給額が増えます。ただし加給年金対象だったりすると、厚生年金だけは繰下げないなどの対応を取る必要があります。

加給年金は、厚生年金の被保険者が65歳に到達した時点で、被保険者が扶養する子供や配偶者がいる場合に支給される年金のことです。

配偶者が65歳になるまで、年間約39万円もらえます。また18歳未満の子供がいる場合も、ひとりにつき年間約22万円が18歳になるまでもらえます。

国民年金は払った方がいい

年金制度は維持されるべく、保守、改定されています。また、年金の支払いの財源の一部として、我々が普段納めている消費税が使われています

極端なことを言うと、国民年金を納めていないと、年金が貰えないうえに、年金をもらっている人の分まで消費税を支払っていることになります。そして、年金をもらえないということは、これを回収することはできないということになります。

従って、国民年金はきちっと払い、年金をしっかりもらうことで、支払った消費税を回収できるチャンスを得ていることにもなるのです。

厚生年金の方は、会社が半分負担してくれるメリットもあります。多くの方は、給与から天引きされているので、あまり気にならないかもしれません。そのまま気にせず天引きされていれば良いでしょう。

国民年金の方は、将来もらえる金額が、厚生年金の方よりも少ないため、払いたくなくなっているかもしれません。

しかし、支払った以上の財源を持っている保険会社なんて、どこにもありません。

国民年金を払わずに個人で保険会社の年金を契約するほどもったいないことはありません。

まずは国民年金を払い、余裕資金で個人年金をつくるつもりでインデックスファンドなどで運用するのが良いかと思います。

しっかり払って、保険も含めたその他のメリットも享受しましょう。

聞いてっていただき、ありがとうございました。

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